Draft4.0が可決されて、最後の詰めに入ったIEEE802.11aiだけど、先週のMWC2015では、QualcomによりFast Wi-Fi Roaming Technolog として、実装デモがされたそうだ。まぁ、僕の周りにいるこの技術を開発した日本の関係者の皆さんには、もうデジェブ感満載なビデオではある。
さらに、同社のHPではImproving the Wi-Fi user experienceというタイトルで、技術解説と他の動画も公開されている。
この技術は、1999年にMobile Internet Serviceが開発したMISPが原型で、IEEE802.11での標準化を2010年に提案して、いまようやく最後のラストスパートに入りつつある。業界団体での相互接続性の認定規格も策定がはじまっており、2016年には携帯電話などに広く搭載がはじまると期待している。
しかし、なんとも悲しいのは、こういう動きが、まったく日本の企業から出てこない点だ。先日は、某庁の委員会からヒアリングを受けたのだけど、その時に見せられた提言案には、「11ai関係の知財戦略を推進する」的なことが書かれていた。
はっきりいって、11ai の関連知財を今から云々なんて、まったくもって車輪の再発名を推奨しているレベルでしかない。僕的には、こういう携帯系が力を入れて来ている背景を理解して、彼らがまだ示していない領域での利活用に着目するような戦略的指針を示して欲しいと思うのだけど、なかなか理解されないようだ。
丁度、上記のサイトでは、「Improving the Wi-Fi user experience」なわけで、この視点でWi-Fiの利用シーンの広がりを捉えるような発想が出てこない点が辛いなと思うのだ。
それにしても、「Qualcomm is leading the way in developing IEEE802.11ai 」なんて、堂々と書かれているけど、こういう主張を、日本の企業が出来ない点が悲しい。
I am leading the way in developing IEEE802.11ai !!! だぞっと。