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2015-03-16 Information Exchange over things

_ [インターネット][仕事] Information Exchange over things

  先週、EverySenseに関する記事が、日経産業新聞(3/11)と日本経済新聞(3/15)に掲載された。日経産業新聞は、EverySenseが目指している世界についての記事で、記事の内容は事実であり、記者の方の取材力に感服する。ただ、残念ながら電子版はないようなのだが、M2MBox というサイトが引用をして、取り上げてくれたので、興味のある方は、そちらを見ていただくとありがたい。また、日本経済新聞のほうは、ブロードバンドタワー、シリコンバレーの企業に出資と報じているが、これも本日正式にプレスリリースさせていただいたように事実だ。

  ところで、このブログは、タイトルの通り僕の私的な備忘録なのだけど、仕事関係の方にもお目汚しをしているので、今回の事も少しここに書いておこうと思う。

  おそらくは、僕の知り合いのなかで、多くの方はブロードバンドタワーというか、IRIの藤原洋さんをご存知だろう。もっとも、藤原さんは、とても有名だし、多数の実績と著書などもあるから、むしろ、彼を知っている人の中で、僕を知っている人というのは、極小な部分集合だ。

  さて、そんな藤原さんに僕がはじめてお会いしたのは、創業間もないIRIの神谷町のオフィスで、たぶん1998年くらいだったと思う。当時、僕はRoot,Incで無線IPルーターというのを開発して、当時の郵政省と一緒に地域情報化として、地域イントラを無線で構築するアイデアを提案して、実証実験をし,製品化を進めていた。

  一方で、藤原さんは、もともとICN構想として、ケーブルテレビ網を使って、NTT回線に頼らないインターネットの構築を目指していた。その後、インターネットの商用化とともに、インターネットエクスチェンジの運用を手がけた事などもあり、監督官庁の旧郵政省の高官だった共通の知り合いの紹介でご挨拶にうかがった。

  というわけで、まぁ僕は無線で、藤原さんは有線で、インターネットのインフラ構築や、インターネット社会の普及に関わってきた。その後、今や通信事業のトップスリーとなったソフトバンクで、孫さんのインターネット事業への参入時に、ともに外部からコンサルタント的に関与したりした。

  ところが、面白いもので、互いに業界は同じでも、直接にビジネスとしての取引をする関係はなかった。1999年に手がけたMISには、IRIからの技術者も参加してくれた。

  まぁ、いづれにしても、有線系と無線系という異なる方向から、インターネットの普及期に関与したことで、周りには共通の知人も多くいた。その規模も影響力も違うので、これはかなり僕の奢った表現ではあるけど、いわば連合軍の異なる部隊の指揮官として、互いに違う戦線で共通の敵に戦いを挑んでいた遠く離れた戦友的な感覚があった。

  ただ、あの頃は、インターネットが学術から商用化へと移行しつつあった時期で、僕ら民間の人間でも、その根底にあるEnd to End 、自律分散というパラダイムの大きな変化がもつ、本質的な部分をしっかりと意識していたし、拘っていたから、僕らには共通の敵と戦うための共通の価値観と大義があった。

  さて、そんな僕が藤原さんに、はじてめお会いしてから20年近くの時間を経て、今度はIoTという新しい挑戦で、明確な連携をすることにしたわけだけど、これには必然的な時代背景がある。

 一つは、今や有線と無線は、ともに通信インフラを構築する主要要素技術であり、それぞれが単独ではなく相互に融合していることだ。そして、インターネットそのものは、すでに社会基盤として在って当たり前なわけで、IoTの世界では、様々なものがインターネットへ接続するアクセス手法は、特定の方式には偏らないだろう。だから、何をするにしても、有線とか無線という個別要素ではなく、その両方を有機的に結びつける事が必要だし、その為には個々の領域に対する深い知験が不可欠だ。

  次に、IoTやM2Mの普及によって、僕たちの生活のなで生成される情報量は天文学的な数に急激に増える。これらの情報を、僕らは適選、取捨選択していかないと、情報の圧倒的な量に飲み込まれてしまう。この時、僕らが必要なのは、情報という認知可能なメタファーであり、データそのものではない。

  かつて、僕が手がけたのは、無線というデータ通信の為の網であり、藤原さんが構築したのは、データエクスチェンジであり、データセンターだ。しかし、これからはデータよりも、もっとメタな情報という上位レベルのアクセスと、その交換の仕組みが必要になってくるだろう。

  ここで、データであれ,メタ情報であれ、その生成者と利用者がEnd to Endで価値を共用し、それを交換できる仕組みをつくることの設計思想には、何も違いが無い。

  だから、データという世界で Internet Access、Internet Exchangeを手がけて来た経験のある藤原さんと、この新しいInformation Accessと、Information Exchangeの実現に挑戦する事は、僕にとって大きな力となると確信している。


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