昨年からIEEE802.11では、Dominance問題が発生し、議事運営に対する監査なども行われた。これは、なにかというと、集団での意思決定プロセスにおける不正行為があったことだ。ある、特定の勢力が、個々の投票権者の投票権行使に際して、拘束的な行為し、少数意見を排除するような行為をしたという問題だった。
国の内外を問わず、所謂根回しとか下ネゴというのはあって、それ自体は、時には正式な場での意見調整をスムーズにすることも多い。問題は、それがあまりに過ぎると、当然ながら公の場では反発を招く。
とある、国内の会議では、公式の会議と言いながら、あまりに事務局案なるものが独善的に示され、それありきな議事運営と捉えられても仕方がないような状況があった。
この会議体の出力である答申案として、事務局案なるものが示され、それに対する説明も、質問に対する回答も事務局がするという、実に不思議な運営だった。実際に、僕が出席した時は、会議中の発言時間のほとんどが事務局であり、構成員が寄与した資料の説明さえも、寄与者がいるのに事務局がするという、とても信じられない議事進行だった。
あいにくと、次の会合は参加できなかったのだが、この時には傍聴者や他の構成員の方が、SNSで実況していたのだが、そこに投稿されたコメントは、一回目と同様に事務局の独善的な対応が目立っていることを示していた。
結果として、まとめるべき答申は、座長一任ということになったのだが、さすがに構成員の賛同を得れないだろうということからか、アドホックな会合が開催された。
アドホックは、終わり時間を気にせずにくらいな案内だったので、てっきり構成員の有志で、実際に作業をしてある程度の作章作業をするのかと思っていたら、なんとまたしても出来上がった事務局案なるものが配布され、それに対するご意見をということだった。
しかも、この案は、過去二回の会合で指摘されていた部分が、根本的に修正されておらず、結局のところ構成員の意見なんて聞く耳持たずなのかと感じるものだった。
こうなると、コメントしてくださいと言われても、そのコメントに沿って修正がされるか、またコメントは、その内容の採否に関わらず、きちんと上提示に、コメントのあったことを申し添えられるのかさえ不安になる。
そんなことから、不本意ではあるけれど、冒頭で会議体の議長は誰なのか、出力の形はどうなるのかということを、質問させていただいた。
結果的には、私以外の構成員の方の多くも、同様の不信感を持っていたようで、具体的な修正案を構成員がそれなりに示すところまで、突っ込んだ形になった。
さてさて、これではたして事務局案なるものは、きちんと修正されてくるのかは、申し訳ないが最終確認できるまでは、なんとも不安というか不審が残る。
今回の問題は、はたして事務局の問題なかの、事務局に委託している主催者の意思なのか、はたまたこういう会議体を仕掛けた特定の組織なり人なりの思惑なのか、なんともわからないが、実に不思議な経験をした。
はっきりいって、密室で人選し、密室でネゴして、シャンシャンで物事を思惑通りに決めて、それを公的なに決めましたよと言い切るならば、相応のやり方があるだろうに、あまりに稚拙なきがする。
これが、IEEE802のような議事運営だったら、間違いなくクレームになり、監査が行われたろうなと思う。結局のところ、評決もしない議事運営という日本のシステムが、少しづつ限界にきていることの表れかもしれない。