今日の日刊工業新聞に、データ流通市場、API介し連携-経産省が仕組み構築へという記事が掲載され、この中でEverySenseの名前が記載された。
記事は、"経済産業省は.... "という書き出しなので、記者が経済産業省に取材して得た情報に基づくもので、ニュースソースが経済産業省であると読み取れる。
ここにある内容は、IoT推進コンソーシアム配下のデータ連携サブワーキンググループにおいて、協議されてきたことであり、EverySenseもその構成員として積極的に参加してきたので、"エブリセンスジャパン(東京都港区)などと協業し、異なるデータ流通市場が連携できる仕組みを構築する。IoT(モノのインターネット)で重要な要素となるデータの流通環境を整え、市場を活性化させる"とあることは、事実だ。
しかし、二月から二回開催された、このサブワーキンググループでは、当初から事務局が示した素案にたいして、私を含めて複数の企業から、根本的な部分で、大きな疑義が示された。このため、先週も急遽、アドホック会合が開催され、その根本的な部分について齟齬の無いように修正案が提案され、その修正案の確認を今まさにしている最中だ。
その根本的な部分というのは、この記事の図の内容そのものなのだが、この記事の図は修正される前の図と同じだ。この記事にある図では、データ利用者は、個々の流通市場にアクセスするのではなく、データ検索システムなる、唯一一つの共通なシステムをアクセスすることになっている。
ところが、すでにデータ流通市場の事業を営む民間があり、各々は独自のサービスとして、検索やマッチングの機能を具備している。だから、このような新たなシステムが神様のように上位に君臨することは、民業圧迫ともなりかねない。
そこで、サブワーキンググループでは、データ利用者は、自らが選択する事業者とインターフェィスし、その代わりに事業者は相互にデータの有無などを紹介(照会)可能な相互接続を行うことで、データ利用者への一覧性、網羅性を提供するという話になった。少なくとも、直近の会合ではそういう合意があり、図の差し替え案が実際に事務局から示さている。
にもかかわらず、これらの議論は、何処へ行ってしまったのという内容の記事に、唖然としてしまった。
また、記事の後段には、"協業先企業などで構成する推進団体の新設を促す。2017年度内の設立を目標に、オムロン、エブリセンスジャパンのほか、さくらインターネットなどが参画を検討しているもようだ。"とある。これについても、確かに民間の団体が必要だし、そこでみんなで盛り上げていきましょうということで、意思表示をしてきたから、間違いでは無い。
ここに書かれている民間企業のうち、もう一社の委員の人とは、「これって、何か取材受けた?」「いや、なにも聴いてませんよ」「僕たちの議論は、いったい何だったんだろうね」というチャットをしたんだけど、うーんなだか虚しさ100倍モードだよな。
最近、忖度という言葉や、メディアの報道の真偽性などがよく話題になるけど、こういう風に裏取りのない取材で、報道がされるんだなということを実感できる記事だった。
こういうのは、記者の資質なのか、その裏に誰かの意図が滲み出てくるものなか、なんとも言えないけど、なんだか大本営発表的で、ちょっとシビレるものがあった。
明日は、今シーズン最初のエンデュランスなので、サポートしてくれるクルーの皆さんのために、牧場で拾った鬼胡桃のパンと、家の周りに出始めたよもぎのあんパンなんぞを焼いておいた。