昨日、ネットで流れたニュースで、ソフトバンクの孫さんが訪日外国人客向けのWi-Fiについての発言があった。
記事では、
「オリンピックのたびに、無料Wi-Fiではさまざまな被害が起きている。具体的にはセキュリティの問題。Wi-Fiスポットのセキュリティの穴を突いた被害が大量に発生している。無料Wi-Fiよりも、世界中の携帯事業者とデータローミングをする方がいい。例えばアンリミテッドな(無制限の)ローミングなど。日本のLTEは世界で最も優れたカバー率と容量を持っているし、(ローミングの方が)セキュリティを保てて手間も掛からない。Wi-Fiスポットがいいというなら、別途セキュリティの問題を解決できるか検討したい」(孫氏)
とある。
三年前に、舛添都知事と対談した時の記事では、
孫氏は「世界中の人々がスマートフォンを持っている。キャリアにかかわらず、世界中の人々が来たときにすっと繋げられることが重要。Wi-Fiは必要不可欠なソリューションだと思う。無料でサービスとして開放する。オリンピック会場で、ビデオのやり取りとか無料でWi-Fiを使ってサービスを提供する。なおさらWi-Fiの特区のような電波の開放は、日本人のおもてなしの気持ちとしてやるべきだと思う」
とある。
いやぁ、さすがに孫さんはセキュリティの問題に気がついて、大きく軌道修正をしたんだなぁ、これで街中に溢れる無防備なWi-Fiの問題に対する認知も広がるかと期待したいところだが、どうも実態は違う気がする。
他のキャリアもそうなんだけど、LTEの導入期にスマホの爆発的普及でおいつかなったトラフィック容量を、Wi-Fiへのオフロードでカバーしようとして、かなり公衆無線LANに各社が投資していたのが実態だ。そこに、地方におカネをばらまくことが存在意義と感じてる人が、とにかく技術とかセキュリティとか無視して、無理やり訪日外国人の一番の不満がWi-Fiとかいうキャッチーなアンケート結果を掲げ、さらにここぞとばかりに、その助成金を使った展開を仕掛けた企業などもいて、とにかくものすごい数のWEB認証なWi-Fiが展開がされたわけだ。
実は、去年あたりからキャリアの人達からは、LTEの展開が充足したので、もうWi-Fiに設備投資を続ける必要はない的な話しを、聞く機会が増えていた。つまり、お金の取れないわりに、管理運営が二重になるWi-Fiには、もう頼らなくても、十分にユーザートラフィックをLTEで捌けるもんねということだ。
というわけで、まぁセキュリティが云々もあるけど、実態としてはキャリアとしてのROIを考えての方向転換なんじゃないのかなと勘ぐってしまうのは、失礼かしら。