EverySenseでは、データの流通の仲介をする市場機能を提供する事業を展開しているが、仲介である以上、当然ながらデータを提供する人と提供される人がいて成り立つ。また、データというのは、かなり広義なわけで、個人情報のようなものから、工場などのセンサデータなど、実にその適応範囲が広い。こういうデータの流通は、社会の中で一つの経済基盤となることが広く期待されているけれど、それは私企業が単独で担えるものではない。
そこで、僕らは積極的に、関係省庁とともに、その在り方やルールつくりなどを協議してきたが、経済産業省、総務省、内閣府ともに、それぞれの主催した会議体が一定のとりまとめ成果を報告しつつあることを受けて、それを実際に推進していく民間協議団体を立ち上げることを呼びかけてきた。
今日は、その発起人会の第一回会合を開催し、十数社の民間団体と関係官庁の方々に参加いただき、「データ流通推進協議会」とい名称を含め、設立趣旨の骨子について賛同を得て、発起人会の活動をスタートするに至った。
といっても、あくまで団体を組成するための発起人会であり、まずは、設立組織の定款、会則などを起草するなどの実務をボランティアベースでこなしていくことになる。そこで、取り急ぎ経済産業省、総務省の関連作業班の構成員のうち、民間企業の人にまずお声がけをさせていただき協力のお願いとなったわけだ。
さて、団体が業界のルールや技術標準などを策定するとなると、一番肝心なのは団体の中立性、公明性、透明性となる。よく、この類の団体では、規約や定款では、名称、事業団体、役員の選出などの通り一遍のことしか規定していないことが多い。特に、日本の場合には、この傾向が強い。しかし、国際的なStandard Development Organization (SDO)と称される標準開発団体では、その運営や標準策定などについて、きちんとした意思決定ルールや運営ルールが存在する。
インターネットの標準を策定してきたIETFでは、Rough Consensus & Running Codeという、大前提がありNo King, No President, No Votingといポリシーがあるが、それでも組織体としての意思決定や運営ルールは明確に存在している。このことは、IEEE ,3GPP,W3Cなどフォーラム系もITUやIMOなどのデジュール系も同様だし、民間コンソーシアムとして大きな成長をしてきたWi-Fi Allianceもしかりだ。
というわけで、今日の発起人会では、呼びかけ人というか世話人として各社にお声がけをしたこともり、議長として議事進行をさせていただいたが、最初に少なくとも議事運営規則については、明確にさせていただいた。
今日は、会として意思決定する議決事項は、「データ流通推進協議会」とい名称を含めた設立趣旨の承認だけだが、これも動議提案者を2名としての採択プロセスをとった。残念ながら、日本では、議会以外ではJCなどが積極的に運用しているロバートの議事規則も、馴染みが薄いので、議論や議事進行は、どうしても粛々としたものになる。しかし、初回ということもあり、参加者の様子見的なところもあるので、これからの闊達な議論に期待したいところだ。