山梨県の情報ハイウェイが運用されて10年になるということで、県では今までの利活用を総括し今後の運用方針を決める会議を主催している。僕も、ご縁があって委員となっているものの、残念ながら日程がなかなか合わずに、会議に出れなかった。そんな中、今日は主催部門の方から、直接今までの議論の内容と資料の説明を、県庁で伺う事ができた。その内容については、まだ審議途中なものだし、僕自身が十分に咀嚼できていないので、いまは何も書かない。
しかし、この情報ハイウェイの大きな利用形態の一つが県内のCATV事業者による自主放送やCS/BS放送の配信なんだそうだ。そんな話しをしていた今日、ネットではとても興味深いウォールストリートジャーナルの記事が流れてきた。タイトルは、米ミレニアル世代の新発見:アンテナで、サブタイトルは、「テレビの無料視聴を信じない消費者も多い」とある。アメリカでは、いまやCATVによるTV放送が当たり前であり、家にアンテナを置いたら、テレビ放送が無料で視聴できるなんてことは、まったく青天の霹靂的に思う人がかなりいるということだ。
確かに、下手すると一度も地上波によるTV受信なんて意識したことない世代が沢山いるというのは、わからなくもない。そして、そういう人たちにとって、TV放送は有料なものなのだから、契約料を払わなくて済むとしたら、アンテナっていうのは、とにかく凄い魔法なわけだ。
僕は、山梨のCATVに関わった時に、微妙に関東広域圏が受信できる境界だったことに加えて、地元の政争問題もあって、CATVの導入に対してはかなり大きな政治課題になっていた。この時、CATV反対派の人は、当然ながらアンテナつけりゃ見れるからダダなのにという意見の人も沢山いた。まぁ、実際には、共聴施設とかでないと、個別宅で屋根の上にアンテナというのだと、かなり限られた地域の人しか視聴できなかったけど。つまり、この時代のこの地域では、デフォルトは、TVはアンテナつけて、無料で視聴できるものだったわけだから、有料契約のCATVに移行するのは、かなり抵抗があったわけだ。
それから何年も経過しブロードバンド推進の政策のもと、日本のブロードバンド普及率は、限りなく100%に近く、放送、音声を含めたトリプレプレイも多くのCATV事業者が提供している。しかし、日本ではこのアメリカのような話が出てくる日は、来ないかもれしない。
何年か前に、CATV連盟の委員会の委員を務めたことがあるけど、その時もCATV加入者の有料チャンネル加入比率が減少傾向にあることが話題になった。結局のところ、日本においては、まだまだ多チャンネルニーズが少ないのだろう。これは、技術の話しというよりは、個性より平均を求める日本の文化によるところが大きいと僕は思っている。若い世代は、少しずつ多様化しているというけど、やはり集団では個性より同調というのは、あまり変わっていない気がする。
アメリカ在住の人に言わせると、このニュースは、そんな誇張でもなんでもないそうだけど、これっていろんな意味で、考えさせられるテーマではある。