今日は、昼間に大規模なネットワークの障害が発生した。しかし、小一時間くらいで収束し、数時間後には、通信事業者などからある程度のオフィシャルな報告もいくつか出された。
結果的には、夕方にはニュースにもあったように、グーグルさんが誤ったインターネットの経路情報を経路交換先に流したことが原因だったそうだ。一般紙の報道では、IPアドレスが....的なのもあったけど、経路より言葉的にわかりやすいから、そういう使い方をしちゃうんだろうなとは思う。
でっ、当然のように僕の周りにいるこの世界の専門家の皆様の間では、専門用語を含んだ、それなりの深いい情報が飛び交っていて、それはそれでとても勉強になった。
僕は、インターネットについては、商用インターネットサービスが開始されたあとに使い出したユーザーなので、ネットワーク運用やら経路制御などの世界は、まったく素人なんだけど、Root,Inc.の時に無線ルータなんてものを製品化した関係で、最低限のことは周りの濃ゆい人達に教えていただいたので、今回の話もなんとか見える。
そんななかで、ふと思い出したのが世界最大のネットワーク機器メーカーにいた知人が、RIP、OSPF、BGP という経路制御の違いを例え話で教えてくれたことだ。RIP=友達の友達は友達、OSPF=友達の友達は友達だけと、近しい友達と遠い友達がいる、BGP=気に入ったやつとしか友達じゃないもんね....的な、メタファーだった。 まぁ、厳密にはいろいろとツッコミどこはあるけど、なんとなく言いえて妙だなと覚えてる。
さて、今回の報道とかみてると、結局のところあるところからあるところへの通信が不達になったのか、到達するのだけど時間がかかってしまったのかの辺りが、ちょっとごっちゃまぜな気がする。もちろん、サービスの場合、一定の時間までに到達しなければ、まぁ使えないことには変わりないから、不達と一緒ではあるけど、その辺りはすこし正確に知りたかったりする。
ところで、こういう事が起こった時に思うのは、The Internetが自律分散システムであり、信頼と互恵的な相互接続により構築運営されているという本質的な事を、少しでも一般の人に理解してもらう事の必要性があるのではということだ。
この本質には、もちろん絶対神がいないのだけど、逆にだからこそ強いシステムであるという面もあるし、なによりもその本質が創造的で自由な社会基盤を生み出してる源泉なのだから、こういう時にきちんとアピールすることも必要かな思うわけだ。
逆に、最近のIoTと称している多くの事例が、まったくインターネット的じゃないので、これを機会にあのクローズドな世界の人たちはも、もう少し自律分散のメリットを考える機会になったりしないかしらとも思った日だった。