ホルモン療法を開始して、4ヶ月が経過した四月初旬に2回目のホルモンの皮下注射。この時点で、PSAが3.19ng/mlとなって、人間ドックなどで異常と判定される4ng/mlを下回った。まだこの値は十分に小さいわけではないけど、ホルモン療法が一定の効果があったことを実感できた。
最初の診断以降、もしホルモン療法が効かなかったらどうなるんだろうという不安がつきまとっていた。たがら、血液検査の結果を診察で聞くのは、いつも怖かった。
五年存命率という数字がどうしても頭をよぎるから、ついついワーストケースを考えてしまうことも多かった。それでも、まぁそんなこと考えても、もしかしたら明日交通事故で死ぬなんてこともあるんだから、グダグダ考えても意味はないので、出来る治療をしっかりとすれば良いと自分に言い聞かせていた。そんななか、数値として効果が確認できる結果が出たことで、精神的には一気に気が楽になって、もう生きることだけ考えようと吹っ切れた。
まぁ、前立腺癌なんて癌といってもそんなに深刻じゃないという人もいるけど、なにしろほとんど病気らしい病気をしたことがなかったので、いろいろと考えてしまうものだ。
というわけで、ホルモン療法の効果を実感しつつあるなかで、その副作用もかなり出て来てしまった。主治医からは、ホルモン療法を開始するときに、女性の更年期障害のような副作用がありますと言われていた。
具体的には、ホットフラッシュと言われる、首周りが熱をもって、汗がじわりと出たり、脂肪が増えてポッチャリ体型になったり、胸が膨らんだりなんてのもあると聞いていた。
僕の場合には、確かにポッチャリしてしまい、体重が3kgくらい増えたけど、ホットフラッシュみたいなのはなくて楽ですなんて主治医の先生に報告していた。
ところが、二度目の皮下注射をしたあとから、ホットフラッシュででるよになってしまった。これは、確かにキツイ。
もともと、おばさんキャラで、女子力も高い方なのに、これでいよいよ更年期障害を経験した世代の女性と共通の話題が増えて、本格的おばさんになってしまう。
ところで、この闘病シリーズは、2017年の10月に見つかった前立腺癌の治療のことを遡って整理しているので、いまより半年くらい前の話で、今は放射線治療も終わって普通に元気です。