月曜日の朝は山梨から上京するのだけど次の週末までの野菜やらぬか漬けやらを、持参してくる。これが、なかなかに微妙で。月曜から金曜までにうまく使い切る食材の種類と量を計画的に持ち込む必要がある。今週は、先週の出張の荷物もあったので、スーツケースでの上京だったので、ついつい色々と詰め込んでしまいたかったのだが、来週も出張なのでグッと我慢した。
前立腺癌の発見から半年が経過して、いよいよ5月の後半からはIMRT(強度変調放射線治療)による放射線治療となるが、その治療計画をのための診察を5月の連休明けに二日間にわたり行った。
放射線の照射は、癌細胞にピンポイントで照射する精度が高くなったとはいえ、罹患部位が体の内部にある以上、周辺の正常臓器に線量の高い放射線が照射されることは避けれない。
そこで、IMRT(強度変調放射線治療)という治療では、体の周りを回転しながら、放射線を照射するビームを偏重しながら照射する。これにより、照射したい癌細胞には高い線量を当て、それ以外の臓器には低い線量となるように細かい制御をする。このような細かい制御により、副作用を抑えながらも効果を得ることができるそうだ。
このIMRTを行うには、まずどの部分にどのような線量を照射するのかを綿密に設計する必要がある。さらには、装置と患者の体の位置関係は、設計時と同じ状態を限りなく再現しないとならない。
そして、前立腺の周囲にある直腸、膀胱の状態を照射時には一定に保つ必要がある。たとえば、直腸にガスが溜まっていると前立腺を押し上げてしまい、直腸に強い線量が照射されてしまう。また、膀胱に尿が溜まっていないと膀胱が前立腺に被ってくるので、これも避けたい。
さらに、いささかめんどくさいことに、僕の場合には、骨盤のリンパ節の腫れがあるため、この部分にもそれなりの線量の照射が必要となる。この場合、膀胱に尿が溜まりすぎると、膀胱がリンパ節のある骨盤側に被ってしまう。また、前立腺には金マーカーが留置されているものの、リンパ節は前立腺との相対的な位置関係から照射範囲を制御するのため照射時の膀胱の大きさが重要な鍵となる。
つまりは、放射線の照射を受ける時には、いつも膀胱の大きさ=溜まっている尿の量が一定である必要があり、これが後々いろいろと苦労することになるのだが、この時点ではまだ判らなかった。
この二日間は、IMRTのある部屋ではなく、計画CT室という部屋での診療で、朝起きてから決められた時間に排尿をし、決められた時間に決められた量の飲水をして、決められた時間にCTの機械に乗り、膀胱の状況を確認するわけだ。
この時、体に合わせて治具を作り、機械に寝た時に常に同じ位置に体がくるようにする。この治具は、細かい粒状のものが外皮に包まれたようなもので、僕の体の型となる。これは、なかなか優れもので、8週間の放射線治療が終わると、他の患者さんの体に合わせて再利用できるそうだ。
この型合わせでは、何度も寝たり起きたりしながら、いつも同じ位置になるように合わせ込んで行くのだが、最悪な落馬の傷で寝起きするたびに苦痛が全身を駆け抜けた。先生の説明では、x,y,z方向の距離はミリ単位、角度も1°単位での合わせ込みということだった。無事に位置合わせの型もIMRTの制御データも取れ、体の横と真ん中には、マジックでのガイドラインが記入された。
というわけで、この日以降は、ちょっと人前で脱ぐことも出来ないわけだ..... まぁ、しないけど。
なので、お見苦しいサービスショットを貼っておこう。