この時期に、やっぱり仕事や打ち合わせは、バーチャルではダメだなんていうと、僕の周辺では、一斉に老害扱いされるかもしれない。まぁ、ハンコを押すために出社するとか、会議は顔をみてしないと雰囲気が....みたいなバーチャルしたくいな的理由をやたら並べる輩は、僕も速攻でクソ扱いするけど、ちょと違う意味で実会合が必要だという認識を、昨日・今日のバーチャル会合で感じてしまった。
今週は、IEEE802のPlenary meetingな週なのだが、当然のようにバーチャルでの会議となっていて、連日深夜のテレカンが続く。3月のアトランタ、5月のワルシャワ会合は、会合自体がキャンセルになったのだが、今回はモントリオールで予定していた実会合を中止し、Web会議での開催となった。この開催にあたり、いくつかの運用規定の改定も行い、会議体としての機能がきちんと維持されるように開催されてはいる。
ところが、問題は時差だ。IEEE802の会合は、実会合でも平均して300人以上が世界各地から参加して行っていて、当然ながら一箇所に集まる実会合では時差はないし、そこへのリモート参加は原則認てめいない。ところが、今回全てWeb会議なので、その時間帯によって、地域毎の参加者数に大きな偏りが出ている。普段も、個別のタスクグループなどは、テレカンで行っているのだが、これはそもそも参加者数がさほど多くないし、リーダーシップやメインな人達の都合がやはり優先されて時間設定されるので、参加者も大きく変動しない。
そもそも、欧米とアジアで共通するそこそこに良い時間帯はないし、これにオーストラリアとかインドとか加わると、確実に特定の地域には真夜中のど真ん中になる。そんなわけで、昨日、今日と見ていると、今までの会議ではあまり多くなかった地域からの参加者がものすごく多かったりする。
また、今回は参加費はかからないし、そもそも旅費もかからないので、かなり初めての参加者が多いのも特徴ではある。これは、ある意味では活動が活発になって良いことではあるが、まぁ適度を超えると質の低下になるかもしれない。
国際標準化の合意形成で大事なことは、特定のグループ(企業グループだったり、地域だったり、系列だったり)が突出して寡占的な状況にならないようにすることだ。とくに、IEEE802のように参加者の個々人か投票権を行使するような会議体では、パワーゲームによる寡占は、忌避すべきことなのだ。
というわけで、バーチャルミーティングは、時差のためにおのずと参加者の地域バイアスが発生するというのを目の当たりにしたら、うーんやはりPlenaryくらいは実会合が必要ではと思ってしまったのだ。