QBPワークショップに、無線製品関係のプレゼンテーションを行なうために参加する。 QBPには、数年前に大分での会合に参加していらいの参加となった。 自分の参加したセッションでは、他にメッシュ/アドホック関係、ミリ波系の無線アクセスの発表などがあった。 それにしても、過去10年、日本には本当に雑多な無線製品が導入されたが、ほとんどが実証実験の粋を脱せず、持続的な事業展開がされた事例をみない。 いろいろな機器や技術を持ち込んでくるメーカーや商社というのは、当然の商行為として、その利点をアピールするのだけれど、受け手側がその評価を正しくできるかが重要なのだが、どうも目利きの良い人が減っているようだ。 情報系の世界の人達にとっては、無線の世界は魔法に見えるのだろうか、著名な先生でも、売り手の言葉を鵜呑みにしてしまっている事が多々ある。 メッシュにしても、もっとも肝心なホップ数などのスケールの話しは、きちとん説明されないし、伝搬距離の話しにしても、理想論が多い。 一方で、無線系の世界の先生からみれば、伝搬特性や物理層の話に魔法はないことは、百も承知なわけだ。 いま話題になっている2.5GHzなどでも、監督官庁の無線系の人達の口から、”事業者の人達って、本当に無線がわかってないのでは?”というような事を聞くことがある。 結局のところ電気・電子工学系と情報処理系の研究者、技術者間の情報流通がとても貧弱だということではないだろうか。 さらにはより上流にも言及できるシステム工学的な取り組みや、人材が稀有なのだろう。 情報系の学生の発表にしても、無線に関するとてもプリミティブな知識や推論が欠如していることを感じずにはいられなかった。