特許庁の主催する特許出願技術動向調査「無線LAN伝送技術委員会」の最後の委員会に出席。 21年度に無線LANをテーマに特許出願動向などを分析し、今後の政策への提言をとりまとめる委員会で、今年度は4回の委員会が開催された。 報告書の内容などは、正式に特許庁から公開されるが、僕を含めた産学からの6名の委員の意見は、概ね同じ方向であり、うまく報告書に反映されるだろう。
ところで、解析データーを見ていて、ふと気づいたことがある。 IEEE802.11WGでもリーダー的な貢献をしている米国の半導体ベンダー2社が、面白い事に明らかに違う特許戦略をしているようだ。 一社は、出願数も相応で、積極的に特許を出願、取得している。 これに対して、もうひとつのベンダーは、まったく特許出願をしている形跡がない。
はたして、この2社の違いはなんなんだろう。 両社ともIEEE802.11の標準化への寄与度はとても高いし、両社ともチップベンダーというビジネスモデルも一緒で、市場シェアも同様に高い。 とくに、この特許出願をほとんどしていないように見受けられる会社は、どういう戦略なのかがとても気になる。