朝、定刻よりちょっと遅れで成田に帰国。A380に乗るのは二度目だけど、本当にデカイ。フライト時間は、六時間くらいだったけど、ぐっすり寝れたので、頭痛もなく快適に朝を迎えた感じ。
そのまま、五反田の会社で荷物をピックアップして、新宿の事務所に移動。午後からは来客との打ち合わせ。
最初の打ち合わせは、某部品メーカーさんと無線モジュール関係の紹介をしてもらった。いま、使ってるモジュールも、某チップベンダーの無線LANチップとマイコンの搭載されたもので、これにRTOなんかも入ってる。
それにしても、昔から小さな会社が大手と同等に民生部品を手に入れるのは、なかなか大変なのだが、最近はネット販売などでずいぶんと状況が良くなっている。
おかげで、アマチュア電子工作好きな人には、結構な事が出来るようになった。とはいえ、やはりアマチュア用は、汎用チップ、ストッキー部品が中心なので、本当にコストを追求しだすと限界がある。
ラズベリーパイとかPICとかも、アマチュア工作的には凄いハードに見えるだろうけど、民生の製品にするにはなかなかお高い。
長年民生のものつくりに関わってきた僕は、一銭でも安い部品と、一秒でも短い工数、一つでも少ない部品点数で出来る製品を目指す。ところが、そういう感覚の開発をする人が、日本の製造業の空洞化とともに、最近はかなり減っている気がする。
逆に、こういう民生の開発の人というのは、オープンソースとか、オープンブラットホームな開発が苦手というか、仕事以外で電子工作系に手を出さなかったりする。このため、ハードウェアのモジュール化によりソフトウェアの重要性が大きい最近の製品開発では、今ひとつだったりする。
今日の二つ目の打ち会わせは、かなり有名で優秀なネットワーク系のソフトエンジニアである知人が、ハードウェア製品の供給をするという案件。
ここは、もう根本的にソフト屋さんなので、ものつくりに対して、とにかく知識や経験がない。ハードの形だけは、OEMで調達できるので、それに独自のソフトを搭載すれば、製品が見かけ上は出来てメーカーぽい体裁になる。ところが、もう品質や試験などにたいする体制や意識は、皆無といって良く、これから沢山の製品を提供するのは、かなりリスクが大きい。
そんなわけで、当面して欲しい事、すべき事などを打ち合わせしたけど、果たしてどうなることやら。
昔、ソフトさえ出来れば、競争力のある製品提供が出来ると勘違いして製品化し、結局はまともに製品提供やサポートが出来なかったプロジェクトがあったけど、今度もその時の関係者がいたりする。開発費用をもらって受託で開発してる人って、結局製品化のリスクを直接負う事がないから、なんども同じ事を繰り返すのかもしれない。
この前、アメリカでFit bitがリコールになったけど、これから同じような事案が多発するかもしれない。結果的に、ブランドメーカーとして多くの顧客や市場に面と向かう人達は、こういうリコールなどを通して、ソフトスキルだけで生きてる研究系開発者のなんちゃって製品化の壁に気づくのかもしれない。。
そこで、最近定年を向かえている年代が、ちょうど自社開発、製造などを経験してる最後世代なので、そういうシニアの力をうまく使えば、アマチュア製造業からプロに脱皮出来る助けになるのではないだろうか。
実際、僕が昔やってた会社では、そういう人達の力が、試作、製造、品質管理等で、とても大きかった。
夜は、恒例の帰国飲み、やはり鮨は日本だな。