午前中は、ワイヤレスジャパンと併設されたているワイヤレステクノロジーパークで、IEEE802.11aiに関するセミナーで講演。時間があまりなかったのだけど、帰りにちらっとだけワイヤレスジャパンの会場を通過。
LoRaとSigFoxのブースが並んでいて、Sub1Gブームを感じる。無線LANも高速ハンドオーバーとかを打ち出したモバイルシステムとかの展示メーカーもあって、なんだかとても懐かしい感じがする。
そんななか、相変わらずLoRaでxx Km飛びました的な、お前アマチュアかよ的なトークが炸裂していて、本当に悲しい思いがする。スペクトラム拡散もUWBも、Wi-MAXも、いつもいつも日本では、こういう新しい舶来物の無線技術のセールトークを鵜呑みにして、騒ぐ似非技術屋が多すぎる。
よく、無線は飛ばしてみないと分からないと平気で宣う人がいるが、では飛ばしてみたからといって、汎用解をきちんと導出できたのかよと、小一時間ツッコミたくなる。
僕が最初にスペクトラム拡散の無線機を開発した1996年には、当然ながらDSSSで2Mbpsの2.4GHzの無線機なんて、前例がなかった。だから、まず設計値があり、内部のNFやロスを含めたレベルダイヤを書いて、個々の性能検証をした。そして、この時にプロセスゲインを、初めて実感したりもした。こうやって確認した無線機の性能をもとに、コンダクティブな環境での測定などを行い、最終的に製品としてのリンクバジェットなどを確認した。
ここまで来て、次にはアンテナ利得などを考慮し、回線設計の目論見を作ったうえで、フィールド試験を行い、設計との差異の検証をし、不具合や限界値を確認した。つまりは、実証試験をする前に、明確な推論があって然りだった。
しかし、無線の流行りが出るときは、こういうことをなにも考えずに、実験しました、何km飛びます的な話が跋扈するのがとも信じられない。
しかも、そのときのアンテナ地上高や利用アンテナなどの基礎条件も把握しないレベルで騒いでるのをみると、日本のワイヤレス技術者の底の浅さをとても強く感じてしまう。
というわけで、せっかくのSub1Gのサービスなので、おバカなセールストークで踊る人が増えない様に、ワイヤレスエンジニアには、ぜひ頑張ってほしいものだ。