今日から始まったWi-Fi Allianceのメンバーズミーティングのオープニングや戦略ミーティングのなかで、スタジアムや駅などの高密度環境における話題がそれなりに言及されている。
先月のIEEE802.11でもそうだったけど、ここに来てスタジアムなどで測定したらどうだとかいう事例も、それなりに各社から出てきている。この問題は、ずいぶん前から指摘して、その解決策である802.11aiを提唱してきたわけだが、ここに来て標準化も終盤になり後追い的に認知度も上がっている。
しかし、悲しいかな高密度環境における接続品質の課題では、一番現実的に感じているはずの、日本の関係者からはそういう話しが出てこない。勿論、標準化に参加している日本のオペレータなどは、数年前に駅での測定データなども発表しているのだが、ベンダーがあまりにお粗末だ。
実際に、アメリカではスーパーボウルで10TBのトラフィックがさばかれたという報告もあるし、ソルトレイクのサッカー場のデータとかもある。
ソルトレイクの事例では、20%以上の無線LANの帯域が、本来の通信ではない部分で消費されていることが示されたし、日本のキャリアの駅での測定データでは、さらに多くの望ましくない消費が示されている。
実際に、長年の技術開発で無線LANに使う周波数帯域は拡大し、個々のデータ転送速度も劇的に改善された。これは、車でいえば高速道路のの車線(周波数帯域)が増えて、個々の自動車の走行速度(転送速度)が増えたことになる。ところが、高速道路に乗るには、まずインターチェンジを探して、次に料金所で車種確認をし、必要な料金を払って...などの手続きがあり、そこで渋滞が生じているのと同じだ。
そして、一度高速に入ったら長い間高速道路を走ってるケースは、スタジアムや教室などでの無線LAN利用形態に近く、まぁ入り口渋滞に多少はまっても、そのあとはそこそこに幸せなわけだ。
しかし、歩きながら無線LANを使うよな例は、頻繁に高速に乗ったり、降りたりするために、この渋滞の影響がもっと顕著になる。
というわけで、なんとかこの渋滞のボトルネックを解消しようと提唱してきたのだが、やっと世界では共通認識になってきた。しかし、残念ながら日本の一部のガラパゴスの人には、まだ認識はないみたいだ。