EverySenseでは、様々な組織や人が生成する情報を利用したい人に提供するための仕組みを構築しているのだが、この話しをするとよく受ける質問がある。それは、情報の信頼度や精度に関するものだ。この背景には、とにかく精度の高い情報が良い情報であるという一意な価値基準に囚われている人が多いことが考えられる。
しかし、本来は情報の精度というのは、その情報で何をするかという要件によって変わるはずだ。また、情報の取得コストが同じなら精度が高い方が良いかというと、その情報を処理するコストを考えると、必ずしも精度が高いことが良いとは言えないケースもあるだろう。例えば、細かすぎる情報は、マクロ的な処理では前処理に時間がかかる。
昨日は、小淵沢に出かけてエンデュランス乗馬の練習をしたのだが、その間の位置情報と加速度を、EverySenseの仕組みを使って、5分置きに取得してみた。今回は、開発中のEveryPostのAndroid版を使ってみた。
5分毎のサンプリングなので、かなり荒いのだが、それでも僕が須玉から明野のサニーフィールドに出かけ、そのあと小淵沢に行き、小淵沢の山の中へ入っていき、別なルートで明野のサニーフィールドに戻ったことは、十分に読み取れる。
一方、このデータのうち小淵沢で乗馬している時間帯のみをプロットしてみると、道路沿いの地点(牧場)から、なにやら山の方に移動して、おなじ地点に戻ってることが分かるが、乗馬のコースとのトラッキング記録としては、五分刻みというのはかなり粗いので、昨日のBlogにあげた乗馬用アプリのようなコースのトレースとして、魅力を感じない。
また、この全体の時間の間の加速度データーから単純に運動量を求めてプロットしてみると、ちょうど乗馬をしている時間帯だけ運動量の変化が大きいことが、これでも十分に分かるだろう。
これらの事は、解像度が粗い情報(データ)でも、目的によっては十分に利用価値があることの良い事例だろう。ここで、5分間隔という測定間隔だと、当然ながら端末の消費電力や通信帯域も、細かい測定間隔で連続して測定するよりも低廉化できる。つまりは、目的によっては、こういう緩い計測のほうが、コスパが良い場合もあるというわけだ。
こういうコスパとかRoIとかを考えることが、これから情報生成量が爆発する時代には、とても重要ではないだろうか?