今日は、朝一のWNG(Wireless Next Generation)というスロットで、日本人の方がプレゼンをされた。事前に内容を聞いて、コメントはしていたのだが、想定通りの厳しい反応だった。
このWNGというのは、SC(Standing Committee):常設委員会だ。このSCの目的は、なにか新しいテーマを発表する最初の場所であり、そのために誰でも投票できるし、参加しやすいように火曜日の朝一に固定的にアサインされている、
新しい標準化を提案したい人は、まずはここで発表をし、オーディエンスの75%の賛同を得ることで、WG全体のPlenaryでの動議提案へとつながる。
僕らも、7年くらい前に、このWNGで何度もプレゼンをした。最初の頃は、なかなかこちらの提案に対する理解がなく、非公式投票では、賛成でも反対でもなくMore Informationということが続いた。
それでも、ここでディスカッションしていく過程で、課題の明確化と共有化ができて、ベテランから有意義なコメントをもらい、一挙に賛同者が増えて標準化の準備段階であるStudy Groupの設置へと進んだ。
ここで大事なことは、発表者が何をしたいかを明確に示すことなのだが、今日の発表は残念ながらそれはまったくわからなかった。公的な助成研究や競争資金の研究などで、「標準化を目指す」と書く人は多いし、それを審査する側が期待するのもわかる。しかし、もし本当に標準化をするならば、標準化団体のルールや文化を知ることが重要だし、一度それがスタートしたらしっかりと継続して、リードすることが求められる。新しいアイデアを標準化する話しと、誰かが起案した標準化に自分のアイデアを寄与することでは、大きく求められることも、その負荷も違う。
この辺りの事情が判っていれば、「標準化を目指す」と「標準化に寄与する」は、大きく違うことがわかると思うのだが、残念ながらこの区別が付かない人が圧倒的に多いのかもしれない。この辺りは、公募研究などの審査をする人達も理解すべき事項なのだが、標準化の現場を知る人材の底辺を増やしていくしかないと感じた。
夜は、昨年行った老舗の日本食レストランにUberで出かけた。去年と違って、今年のアトランタはとにかく暖かい。修造のいない日本は、寒気で大変のようだけど、アトランタの方が暖かいので、ついついUberのドライバとも気候の話しになる。でっ、"Your new president makes America hot"が理由だろ言ったら、えらく受けたけど、Trumpと修造って同じレベルかも。