三島で開催された電子情報通信学会の光通信シンポジウムのワークショップに参加する。 ワークショップのテーマは、「NGNが拓く情報通信社会」ということだが、僕は世界のIPトリプルプレイというタイトルでの事例発表を行う。 他の登壇者も、ISP、建築関係、スーパーコンピュータ、PLC関係と、いささかタイトルとは違う様々な分野の方々が、各々ネットワークとの関係を視野に入れた講演をし、会場からの質問に答える形式となった。 やはり、こういうネットワーク利用側の人達の間では、残念ながらNGNというのは、まだ実態がつかめないか、あるいは共通の認識を持てないものということが浮き彫りにされた。
実際に、NGNの”N”は、NewなのかNextなのかという点でも、曖昧模糊としているし、大手キャリアの提唱するNGNも各社各様だし、標準化機関での考え方もそれぞれなのだ。 これは、あくまでも僕の考えだけど、インターネットは、もともと異なる伝送路の実装の上に成り立っているので、結局のところNGNもインターネットというオーバーレイに飲み込まれるのではないだろうか。 現在のインターネットとは一線を画すといったとろで、そういう個別網が多様化したサービス、アプリ、市場を、今のインターネットと同じ規模で創出することは、とても簡単にできるものではないだろう。 ある意味のインターネットの曖昧さは、自律分散的な創造を推進しているわけで、キャリア主導の狭い知の集合が、どこまでなにが出来るのかという点で、あまり期待をしていない。