朝、村の子供たちが作った天満宮(菅原道真公を祭った御宮)の御札をもって尋ねてくる。 我が家は今年初めてのことなので意味が判らないだろうと、村に住む学校の先生でが引率してきた。 先生によると、毎年の恒例行事だそうで、村に住んでいる子供たちが三班にわかれて、村内の各戸に御札を配り、お神酒をお清めにくれ、こちらは、志として若干の寄進をさせていただくという習慣だそうだ。 この村は、80戸くらいだが、別荘などもあり、半分くらいが定住者だが、小学生は10人くらいいるようだ。 こういう、伝統的な行事は、そのまま強く宗教的信心につながるというわけではなく、一つの風習として受け継がれているいるようだ。 僕は、東京の下町、しかも花柳界の生まれなので、このような地域内の行事というのは、沢山あったし、そういう付き合いの中で育ったために、あまり違和感はない。 こういう体験は、きっと子供たちの中での原風景として、ずっと残るのだろうが、都会の最近の子供には、こういう経験が少ないのではないだろうか。
実際、我が家の子供には、季節感のある行事の思い出は、あまりないのではと心配になった。