僕は直接関係ないのだけど、たまたま話しを聞いたCVCの投資案件への取り組みを聞いて、唖然とすることしきりだった。個別の中身について書けないけど、多分に他のCVCでも同様な事が多々あるのかなと想像するに易い気がする。
このCVCが投資した案件は、IoTという大きなドメインでは、まあCVCの設立元の会社の事業との協業性は、なくはない。しかし、それはビジネスのサプライチェーンでは、もっとも下流と上流というかけ離れた領域にある。
ちょうど、今日ニュースが入ってきた、ソフトバンクがARMを買収した例でも、半導体などの要素部品の分野とソフトバンクの行う通信事業やサービス事業とは、広義に関連はあるものの、事業連携という意味では、サプライチェーンの両端になっている。
これは、たとえば駐車場の経営をコアコンピタンスにしている会社のCVCが、自動車のエンジンのメーカに投資するような話しだ。 ピュアな投資という意味では、これはまったく課題でもなんでもない。
こういう、サプライチェーンのかけ離れた領域に投資した場合、そこに対するハンズオンというか、事業シナジーの創出には、金融的な投資以上の投資が求められる。ソフトバンクのロボット事業にしても、グーグルの自動運転にしても、新しいドメインへの投資について、彼れらはそれなりのリソースを社外から調達し、マクロな戦略のもとに事業創出を計っているが。それは戦略ありきだろう。
ところが、今日遭遇した事例では、投資したので、ついては何か自社の本業と協業できないかというスタンスだった。つまり、投資に先立って、自社のビジネスドメインと投資先のコアコンピタンスを精査して、協業のための投資意思決定をしたわけではないようだ。
こうなると、そこにアサインされるリソースも、残念ながらそのために外部から新規雇用するのではなく、既存のリソースベースなので、あまりに投資先のコアコンビタンスに対する知識が乏しい。この結果、そもそもその投資先の要素技術が、どういうサプライチェーンで自分達のビジネスドメインに届くのか、そのときに存在する他のステークスホルダが誰なのかなども、理解されていなかったりする。
僕からすると、投資だけに止めとけはいいのに、無理して協業とかビジネスデベロップメントなんて いう言葉のもとに、畑違いのことに、それなりのリソース調達せずに、手駒をでなんかしなきゃと手を出してる感が否めないわけだ。
しかも、その理由がこの要素技術で、こういうアドバンテージを取れるからではなく、"投資したから”だけなのは、ともて本末転倒ではないかと感じた次第だ。
投資のポートフォリオの中には、こういう案件があることも重要だけど、それならそれは、ビュアに投資案件として金融投資以上のことはしないほうがROIは良いのに、そのあたりの整理ができていないのだろう。
それにしても、半導体、セキュリティ、電波とかが絡む世界で、IPコアとかNISTとかモジュールなんてキーワードさえ通じない人達が、どうやってデューデリしたんだろうか?
これもありがちなパターンだけど、もしかしたら投資判断理由は、そこに並んでいる他の投資会社のブランド名だけだったのではないだろうか?
こういうCVCが沢山乱立してくれるおかげで、シリンコバレーでは、そういう日系から投資マネーを引っ張ってくるプロデューサー的な輩が、いまは大いに潤ってるようだ。しかし、そろそろ、トラックレコードださないと、引き潮かもよと思ってしまった。