今日の午前中の全体会合で、802.11 Plenaryの一週間のセッションが終了。11aiは、すでに水曜日から3回目のスポンサーによる書面投票を開始した。今回の書面投票の結果、技術的な変更がなければ、最終稿の書面投票をもう一度したあとに、正式に上位の委員会での承認を11月には得ることになる。
もっとも、11aiはアメンドメントであり、その元の802.11の最新版の承認日程が遅延すると、それを待た無いとならないのだが、それもいまのところ問題ないはずだ。
それにしても、正式にWNG(Wireless Nest Generation)でスタディグループが承認されてから6年も時間がかかった。実際には、その前の複数回の提案期間もある。
幸いにして、11aiは最初からスタッフに恵まれ、完璧とはいわないものの、まぁ作業は順調にこなされた方だ。思い出すと、三回ほど議論集約がおしくも会期中にできなかったことがあり、これがなければ3会期(9ヶ月)のくらいは、短縮できたかもしれないが、それは理想的でもある。
このように、国際標準化をするには、残念ながら相応の期間がかかり、その間持続的な活動をする必要が有る。僕の11aiのケースでは、他者の標準化提案に何かを寄与するというのではなく、自らがゼロから提案しスタディグループを組成した関係から、スタティディグループ、タスクグループとチェアとして継続して、リーダーシップポジションを維持する必要があった。
IEEE802のなかでも、IEEE802.11は最大規模のWGであり、産業界での実績からも、かなり厳密に議事運営も行うし、スタディグループの組成自体も容易ではない。
同じIEEE802でも、IEEE802.15は、比較的産業界の既存標準が先行して、それをIEEEして標準化するタイプも多い。また、IEEEの標準化のなかには、エンティティモデルといって、一社/組織が一票の議決権を有する標準化WGもある。
これら、それぞれに立ち上げ方の差はあるものの、いづれにしてもチェアなどのポジションを務めるのであれば、一定の期間持続的にその責務を担うことは、初めから覚悟している必要がある。このことは、そのような標準化業務を行う個々の担当者としてではなく、その業務を仕事として与える組織、マネージメントがしっかりと認識しておくべきことだ。
今回、知り合いのタスクグループチェアが、所属する組織の判断から標準化業務の継続を断念することになった。当然ながら、そもそも組織として、このタスクグループを組成し、そこにオフィサーとして、彼を送り込むことは、この組織の判断であり、業務司令だったわけなのに、その撤退にあたっては、組織としてのなんのサポートもないようだ。幸いに、このチェアは、自らの責任感のもとに、個人として諸々の負担をしながら、区切りをつけるとこまで業務を継続されたから、ワーキングループの多くの方らも評価され、引き続き代行は立てるものの、チェアポジションは彼のままとなった。
一方、とある大学の研究者は、インタレストグループの組成を提案しながらも、残念がら多くの会合を欠席している上、リーダーシップとして行うべきさまざまな業務も、あまりこなしていないようで、その対応への不評を多く耳にする。
結局のところ、国際標準化の舞台では、持続的に責任感のあるリーダーッシプが重要であり、このあたりのことを組織として経営やマネージメントがしっかりと認識しているかが大きな鍵となる。
いま日本の企業には、この辺りまで深く入り込んで、国際標準化を経営戦略的に捉えることが少ないのが、いささか残念な状況にある。