イノベーション支援とかベンチャー支援とかいう名目で、各種助成金や公的支援が充実しつつある。これらの支援では、その目的や大局的な狙いとして、当然ながら国際展開や国際標準化なども謳われている。しかしながら、その運用の実態は、いささか制度の本質を阻害するものだったりするようだ。
今日は、とある助成金の中間検査を受けたのだが、そこで指摘されたことを聞いて、唖然としてしまった。
今回対象となっている事業では、その業務遂行場所には、米国の協力会社もあることから、米国の事務所も届けてあり、時に米国に出張して業務することになる。
ここで、日本が休日でも海外は平日ということもあり、日本の連休に海外で業務を進めるという、悲しいワークホリックな人は、僕だけじゃないだろう。特に、ベンチャーなんてブラックと言われても、ファウンダーなどは24時間モードだったりする。
ところが、今日の指摘は、なんと海外で打ち合わせや業務に従事しても、その日が日本の休日や定時外だったら、その労務を認めませんというのだ。これは、もう海外にいても日本の時間で働けということだ。
となると、例えば西海岸なんかにいたら、毎日深夜まで働けば良いけど、普通に現地の昼間に働いたらダメってことになる。
こういう、あまりに非現実的なことを言うのは、誰かというと実態や制度の趣旨を無視して、自分たちの管理の手間だけを考える輩ではないだろうか? そりゃ、海外の休日なてん知らんから、日本のカレンダーだけみて管理したほうが楽なわけだ。
国際標準化も、いまや大きなテーマで、各種研究助成などによる活動もあけど、国際会議が開催されている期間中に日本の休日に当たる日があるのは、決して珍しくない。こういう場合も、同じ理屈を押し付けてくる。
結局のところ、国際化とか国際競争力とかいいながら、こういう内向的というか、制度の趣旨を無視した、縦割りの管理体制が蔓延って、イノベーションを阻害するのではないだろうか?