San Antonio TXに滞在中の今日は、注目のアメリカ大統領選挙の投開票日だ。とにかく、もうずっとニュース報道は、この話ばかりだったし、今までにない接戦ということで、日本に限らず世界中で多くの人が関心を持っている。まぁ、アメリカの大統領選挙ということで、それはいつものことなのだが、やはり今回はちょっと違う雰囲気だ。
世間的には、とにかく両者ともかなり評判が悪くて、極端な話 2nd worstを選ぶ選挙とさえ言われている。しかも、直前までのキャンペーンは、相互に電子メール使用事件やら過去のセクハラ発言の非難の応酬が繰り広げられているのも、おいおい大丈夫かUSAって感じだった。
さて、そんな中、ぼくの周りには選挙権のある米国市民な人が沢山いるんだけど、結構な比率でトランプ支持者が多い。このことを数週間前に、SNSで発言したら、それはエスタブリッシュメントな人じゃないのではなんてツッコミをした日本の知人がいるけど、実際には士業の人だったりPhdを持っている研究者だったりだし、しかもクリントン支持者の多いカリフォルニア在住だったりする。
さて、ここからは結果論だけど、結果としてトランプ氏がかなりの差をつけて、今回の選挙では勝った。これは、事前の報道とは随分違うわけで、報道のニュートラリティーに疑問を呈する人も多いようだ。
しかし、思うにやはり人は、自分の聞きたくないこと、望まないことを暗黙のうちに拒絶するバイアスがかかる、いわゆる「否認」が起こる。今回は、結局報道する側の人にもそういうバイアスがあっただろうし、とうぜん報道を受ける人に受けの良い報道をするという自律反射的な点もあったのかもしれない。
現地時間の夕方には、かなりトランプ氏有利の情勢が見えてきて、これに連動してカナダの移民局サイトがアクセス増加でダウンしたなんてニュースも入ってきた。そして、一緒に会議に参加している知り合いのドイツ系の研究者なんて、さっそく「私はドイツに引っ越すつもり」とかなり真面目に話してくれた。
イギリスのEU離脱にしても、今回のアメリカの政権交代にしても、いろんな意味で世界が大きく変わる時を迎えてるようだ。となると、これはもしかした、ちょっと前に政権交代の煮え湯を飲んだ日本にとっては、大きなチャンスかもしれないと、ご都合主義というか楽観的に捉えたい自分が居たりする。