豊洲の問題で、専門家による結論として、「科学的に安全」という事が報道されている。豊洲移転の是非については、今は早期決着をしてほしいという程度の関心と、個人的には築地にたまに行くので、まぁ遠くなるのか...くらいで、特段の意見を持ち合わせていない。
しかし、今回の「科学的に安全」というのは、専門家というか、技術者としては、もうちょっと論理的な説明をするほうが良いのになぁと感じる。
地下水を検査し、一定の安全基準と比較したら、大幅にそれを超える濃度の物質が検出されたのは事実だ。測定方法が適切であるとしたら、これは地下水そのものは、安全ではないという事だと理解できる。
これに対して、地下水を市場で使うわけではなく、地下と地上は別に考えるべきだというのが、専門家の意見だと報道されている。つまり、安全基準を超える物質が、同じ敷地、建物内に存在するけど、それは、食品などを扱う場所ではなく、分離されているから安全であるというわけだ。ここで、専門家ならば、その汚染物が地上で扱われる食品などに、与える影響の可能性を示して、それが十分に低いので安全だという説明をして欲しいと思うわけで、いろいろとネットで検索してきたけど、その辺りの情報が見当たらない。
科学には疎いので、素人的には水溶性の汚染物質というのは、なんらかの形で、気化したりとかはないのだろうか? なんて疑問が湧いて出る。また、建物や配管の構造上とか、事故や運用の人為的ミスにより、これらの汚染水が、食品を扱う場所に漏えいする事はないという説明もあると嬉しい。
というわけで、専門家が科学的にというならば、たんなる要素の一つだけでなく、システム全体での影響などについて言及した説明をしてくれれば、「安全」が「安心」に近づくのにと思うのだけど、この辺りの検証情報とか、どこかにないのだろうか?
僕らは、技術者としてシステムを設計・実装をするときに、個々の要素技術を品質や仕様を検証するのは当然だ。しかし、それだけでは、システムのとしての「安全」ではないし、システムの利用者に対する「安心」を与えるものではないことを、良き技術者は知っている。だから、僕らはシステム設計の中で、二重化だったり、多重化だったり、運用規則だったり、様々な取り組みをしている。こういう「安全」を「安心」に近づける事により、システムとしての価値が高まる。
そんなわけで、豊洲問題は、システム開発をする立場の技術者目線だと、もう少し専門家さん頑張ってよと思うのだ。