日比谷のホテルで朝食ミーティングのあと、総務省のIoT政策委員会配下のデータ取引市場等サブワーキンググループ。民民な打ち合わせを一つ挟んで、午後からはWi-FILS推進協議会。
この二つの会議では、事務局は、冒頭に挨拶と会議の目的や趣旨などを簡単に説明し、配布資料の確認をすると、座長に議事進行が委ねられた。複数の参加者から提出されている寄与文章は、座長の指示により寄与者が説明をした後、座長の仕切りにより質疑を行った。そして、最後に事務局が今後の予定や、主催側の代表が上位や外部へのエスカレーション方針などを含めた挨拶をされて終了となった。
つまりは、これらの会議では、事務局の仕事は、明確にミーティングアドミニストレーションであり、参加者の積極的な意見交換が活性されている。
たまたま、先月参加した似たようなテーマの会議も、ちょうど先週に二回目が開催された。あいにくと僕は出席できなかったのたが、参加者や傍聴者がSNSでリアルタイムに実況していた。この実況を見ると、圧倒的に事務局が事務局案なるものの説明をし、質問に答える時間が多かったようだ。
こうなると、参加している委員の人達は、おそらく自身の参加意義に対して疑義を持つだろうし、場合によっては発言をするインセンティブを失うかもしれない。
それで恐ろしいのは、会議体の出力として、報告書なりガイドラインなりが上程されることで、そこには委員の名前が記載されことになる。そして、多くの場合には、そういう審議の過程や合意の有無は、それを受けるとる人には伝わらないことだ。
せめてもは、座長一任として丸投げではなく、座長案をメールで審議するなりして、評決でもすれば良いのだが、なにしろ日本の会議体の多くは、合意形成ルールが不明なのだ。だから、議事録も恣意的な抜粋しか残らないし、後日に審議過程なども不明瞭なる。
委員の人は、自分の判断としてその意思決定に賛否の意思表示をし、議事録にその旨でも記載していもらわないかぎり、後日それが課題の多いものであったら、その責任も分担することを自覚しないとならない。
ちょうど今、IEEE802.11では、Dominance Issueとして、委員の議決権行使などに対する不作為な拘束や恣意的な運営を排除するためのチェックリスト的なものをチェアアドバイザリーのメーリングリストで議論している。
日本のこの現状をみると、会議中に事務局が発言する時間の多さも一つの判断指標になりそうだ。