今日の午後は、来日中のIDSAのCTOと面談。今後の連携を模索する上でのヒアリング的意見交換をした。そのあと、DTAの技術基準検討委員会に参加。最近、ブラットフォームとかアライアンスとかで、自律分散的なプラットフォームの構築を目指す時に、あまりに技術オリエンテッドというか学際的理想により過ぎるてるのではと感じることが多い。
もちろん、要素技術であるAPIとかプロトコルとか、フレームワークの標準化という技術的取り組みは不可欠なんだけど、それだけで協調基盤というか社会基盤は出来ない。自律分散協調の代表であるThe Internetでも、例えばドメインにも経路にも一定の階層的構造はある。こういうコアとなる階層があり、それを中立、公平的に管理、運営する仕組みがあって自律分散協調は成り立つ。さらに、その発展過程では、Interopに代表されるような実装の相互接続の確認のための、協業という取り組みがあり大きな役割を果たしてきたわけだ。
データ流通に関しては、残念ながらこの辺りの視点がまだ十分に醸成されていないと感じる。いま顕在化しているのは、自動車や気象、宇宙など特定ドメインのデータ共有の仕組みであったり、情報銀行の連携への取り組みであったりに閉じている。例えばは、人流データなんていうのは、スマートシティから生成されるデータやMaasから提供されるデータとマッシュッアップすることで、新しい価値を生むと思うのだが、そういうクロスオーバーがない。
これを、みんなが同じ技術と標準を具備さえすれば、自ずと繋がるというのは、たぶん幻だろう。そこには、なんらかの上位階層的なプラットフォームが必要だろう。
ここで、大事なのはこの上位階層は、そこを共有するドメイン毎の参加者と競合してはならないことで、となると限りなく限定された機能の提供に閉じる必要がある。こういう部分に目を向けた議論は、なかなか技術側からは出てこないので、もっと制度的な視点の議論を加速する必要があると感じた1日だった。