エレベーターの事故や学校の防火シャッタの事故が相次いでいる。 エンジニアとして、まったく理解に苦しむのは、こういう人命に関わる製品の場合、フェイルセイフを考慮し、原始的な安全装置が装備されているものだと思っていたが、どうやら最近は違うらしい。 制御系は、往年のスイッチやリレーによるシーケンス回路から、マイコンを利用したソフト制御にかわり、じつに多種、多様なことが出来るようになった。 また、安全の面でも、従来では出来なかったきめこまかい制御が可能となり、ある意味てば安全性も増したはずだ。 かつて、高周波アンプなどを自作していたころは、高圧回路から利用者を保護するため、シャーシの蓋などが開いていた場合には、高圧回路がシャットダウンされるインターロックが、スイッチなどで構成されていた。 こういう機構は、もっとも原始的な仕組みで実装され、かつ外部依存性がないことが望ましい。 エレベーターの例ならば、駆動系のカレントループに、ドアの開閉に連動するスイッチを入れ、ドアが開いてる限りは、駆動系が動作しないようにするわけだ。 しかし、こんどはドアが完全に閉まらない状況で、危険非難などのためにエレベーターを動かす必要があるときに、この回路をパスする仕組みが必要となるが、ソフト制御だけに頼るより、このような原始的な機構を併用することのほうが有効なのではないだろうか。 最近は、自動車もソフト制御なので、こういうフェイルセーフがどうなっているのかは、とても気になる。