帰国のために早朝北京の空港にいたら、大阪大学で国際公共政策を研究していたT教授と偶然にお会いする。 日本に帰国する便とかは、どこの航空会社も同じような時間帯に出発することもあるので、空港というのは、結構偶然知り合いに会うことが多い。 T教授は、いまは別な大学院大学にうつられたようだ。 もともと、僕は工学系で、無線通信などに関わっているので、国際公共政策とか経済学とかは関係ないようみえるが、結構こちらの分野の方との交流もある。 もともと、無線を使った地域情報化などの分野でいわゆるルーラルエリアの問題などは、ITU−Dなどを中心に国際公共政策として関わっている。 無線通信といっても、いわゆるインフラであり、公共政策との関連が強いものだ。 10年近くまえに四国で地域情報化の実験をしたときに、僕らはインターネットの根本である自律分散型ネットワークを構築したが、そこでは単に技術的な問題ではなく、社会構造として自律分散の重要性をアピールした。 当時、僕の書いたものを読んだ国際経済学の研究者が彼の論文テーマとの共通性を見出して、いろいろと交流がはじまったが、かれが後にT教授のゼミにいた。 そんなことで、T教授の主催する社会人大学院向けのゼミで、講義をさせていただいたこともあるし、インドネシアで行われたATPの学会などにご一緒したこともあった。 これらは、単純に無線技術だけに着目するのではなく、その用途や有効性を認識し、市場性を学ぶには、とても重要なことだ。
日経に携帯などの無線通信網、07年度から他社に開放義務づけへという記事がでている。 ようやく、日本でも電波での用途、インフラの分離がはじまりそうだ。 光や電話線も、公社主導の一部解放からスタートし、結局はダークファィバやドライカッパーといわれる、物理層だけの単純解放に至ったのだが、電波でも時間がかかるが同様の流れになるのだろう。 既に、既存キャリアからは実現性にたいして懸念する声が聞こえているようだが、長い目でみるとこの動きは止められないだろう。 見ものなのは、再三にわたり光や電話線、局舎の解放を訴えてきたソフトバンクが、今度は自分たちの利用している電波網を解放しなくてはならない立場になることだ。 これにより、いままでと180度立場が変わるわけだが、はたして今度はどのような主張をするだろうか?