会社の情報システム部門が、大規模なプラットホームの再構築を進めている。 その進捗をみていると、どうも実装ありきの議論というかプロセスになっていて、明確なビジネス要求と実装の相関が見出せない。 まさに、要求開発アライアンスが提唱している、「要求はあるものではなく、開発するものである」が示す課題にぶつかっているようだ。 企業の中には、じつに多くの情報が行きかっているのだが、その情報の一意性というのがどの程度確立されているのかは、一つの大きな評価指標だろう。 たとえば、部門名や社員のメイルアドレスなどは、当然 いろいろなシステムで、参照されるのだが、本当に生成と消滅は一箇所だけで、あとは参照となっているだろうか? システム(狭義のシステム)実装ありきの場合、システム間の情報共有を考慮することと、会社全体をシステムとしてみた時の一意性を考慮することは異なる。 綺麗なものを作るには、やはり綺麗な設計が必要なのだが、得てして企業内システムなどでは、初期の設計段階に対する資源の投資が低く、実装などに多くの投資をしてしまうようだ。 このあたりは、OJTによる訓練では伝承しずらいので、きちんとした基礎知識の教育が不可欠なのかもしれない。