昨夜の遅い時間にNAISTの山口 英先生の訃報が届いた。すぐに、他のルートからの続報がなかったので、心のどこかで否定したい気持ちと、素直に受け止めれない自分があった。今日になって幾つか入ってきた続報から、その事実を確認するとともに、受け入れなくてはならないことを知った。
英さんとは、いつどこでかをうまく思い出せないけど、Root,Inc.でインターネット関係者といろいろとおつきあいが始まった頃に知り合って、たまに挨拶をしたり個別に打ち合わせをしたりする関係だった。たまたま、Root,Incの時は、会社のすぐ近くに彼の居点があって、道でばったりなんてのもあった。
直近では、EverySense,Inc.の構想を考えた時に、大阪の研究室を訪問して、意見をいただき、アドバイザリーポードに参加してもらっていた。彼は、セキュリティというものの本質を、マクロ的に捉えるとともに、グローバルな視点から、なすべきこと、気をつけるべきことを、きちんと指摘してくれた。
数年前から難病に罹患し、最近は車椅子での移動を余儀無くされていたことは知っていた。最初は原因が判らなかったのだが、1年半くらい前に難病であることが判明したんだと説明してくれたが、会話はもちろん普通にしたし、従前どおりに議論もした。直近でも、知り合いが彼の研究室を訪問した写真をFaceBookに投稿していたので、突然の訃報に、ただただ驚いている。
インターネット業界で、仕事を一緒にしたり、そこそこに交流があった僕よりも歳下の研究者が他界するのは、ここ十年以内に3人になる。まぁ、齢を重ねると悲しい別れが増えるのは常だろうが、これらの人達は、とてもそんな年齢ではない。しかも、皆、尊敬すべき一廉の人物であり研究者であり、むしろこれからがさらに期待される世代だったので、天命というのもの不条理を恨みたくなる心境だ。
いづれにしても、彼らの足跡を無駄にすることなく、それを糧として次に繋げていくことが、残されたものの使命と考えて、彼の指摘してくれたセキュリテイの事も、もう一度見直してみよう。
明日からはインターネット関係の研究会なので、今夜は福岡に移動し投宿。福岡の地で、彼のご冥福を祈る。
合掌