先日、この日記に日本のWi-Fiが危ない という記事を書いたら、思いの外多くの方からレンスポンスがあった。その多くは、セキュリティに関するもので、その道に詳しい方々が皆WEB認証の内包するセキュリティの問題を危惧している。
この事は、もう1999年のMISの時から指摘してきたことではあるけど、やっと社会的認知が進んできたわけだ。自動車が世の中に出てきた頃に、交通事故の問題が最初からクローズアップされなかったのに、その普及ととも顕著になってきたのと同じかもしれない。
一方で、公衆の場でなぜ無線LANがつながりにくいかについては、いま参加しているIEEE802.11の中でも、そのプロトコルが内包する混雑した環境における問題を認識している技術者・専門家も少なかった。
実際に、私と同僚が十年以上前に、IEEE802.11の会議場で、飛び交っているパケット(フレーム)をキャプチャし、不要なコントロールフレーム(制御信号)による電波の無駄遣いを指摘した時は、多くの参加者がピンと来なかった。
その後、11aiを立ち上げた後に、同様の事案に対して追試したデータが幾つか示されて一定の認知が広まったが、ここに来てさらにスタジアムのような移動する人がさほど多くない環境でも、同様の問題が露呈しいることを示す提案が出てきた。
今回は、某エンタープライズ系のAPメーカーが、一万人くらいの観客のサーカースタジアムで測定した結果として、20%近くの時間が、制御信号により占有されていることを示していた。
はっきり言って、「やっと気付いたかよ」って感じではあるが、こういう認知が広がって、11aiの機能の幾つかを必須項目にという意見が出てきたことは、望ましい限りだ。
というわけで、まぁセキュリティについては、たくさん専門家がいるので、こちらの公衆無銭LANが繋がらない理由については、僕がすこし啓蒙的な活動に注力しようかなと思う。
いづれにしても、日本のWi-Fiが危ないのをなんとかしたいので、セキュリティも含めて、公衆Wi-Fiを健全にするBoF を、いちどしてみることにした。ここでの議論が盛り上がるのなら、それなりに団体に声をかけて、シンポジウムなどを開催したいと思う。
とりあえず、参加の制約もなにもなく、自由な意見交換を目的とするBOFで、WEB会議も用意するつもりなので、興味のある人は公衆Wi-Fiを健全にするBoF から参加意思の表示を頂ければ幸いだ。
今日は、結局会議後に日本とのテレカンが二つあったので、部屋でカップ麺、その後日本から来ている仲間が部屋に来て、持参した青煌の10蔵目記念の山田錦の生原酒を空けた。吟醸香に酔いしれて就寝。